「発達」という言葉は耳に響きの良い言葉として、障碍のある子どもの療育、保育、教育、支援の場で盛んに使われて来ました。「重い障碍のある子どもも発達するのだ」「しぃうがいのある子どもの発達の権利を保障する必要がある」とい文言は、親に希望を与える意味合いを持って、肯定的に受け止められて来ました。しかし、従来の「発達」という言葉は元々、定型発達の(いわゆる健常の)子どもの身体運動能力面や知的能力面の時間軸上の変化を指す意味で用いられて来たために、常に進歩、向上の右肩上がりのイメージで理解されてきました。そのことがそのイメージに合わせて成長変化することを願う周囲他者(保育者や教師や支援者)の働きかけを導き、そうした働きかけが本人の将来の幸せに繋がるという暗黙の考え方に中に障碍のある子どもを浸し込む歴史を重ねてきました。

